
2021年09月22日
小さな森の中の古びたカフェレストラン

帰り道は少し遠回りして帰る、下らない事ばかりで都会の人達には諦めを感じる・・・
この時代にマトモでいることの方が無理なのかも知れない、そうやって自分を慰めての繰り返し
森の中にある古びたカフェレストラン、紅葉は見頃だろうか、行ってみようかな、僕はハンドルを握り車を走らせ秋を捕まえに行く。
車窓からは紅葉の帳が過ぎて行く、まるで最後の日々を名残惜しむように着飾った山の木々達が綺麗で、僕は車を止めて秋の山々の空気を吸い込んでみた、少し冷たく乾いた空気を感じた。
木の枝と別れた葉が舞い落ちる道に、走る車のタイヤが落葉を吹き飛ばす、カサカサって音のリズムを聞くと何故か心が弾むんだ

小さな森の中にある古びたカフェレストラン、店に入ると壁の時計の振り子がカチカチと少し柔らかな音で出迎えてくれた、腕時計の秒針よりもゆっくりと時が刻まれている気がした
サイフォンのロートに混ざりゆっくりと吸い込まれフラスコに落ちるて来るコーヒーを砂時計のように眺めて見ていた、
少し傾向いた庭のテーブルにカップが運ばれて来て、過ぎ行く秋をコーヒーに入れて一緒に飲んで見た、
カップの中を覗き込むと、琥珀色の湖に色鮮やかな秋の景色が映り込んでいて、僕は嬉しくなって店の人を呼んで一緒に眺めた

角度を変えたりカップを回すと、まるで万華鏡のように煌めきながら移り変わり映し出される世界に心が溶けて、さっきまでモヤモヤしていた気持ちもどこか晴れていた、
嫌な事や悪い事もあるけれど、そんな時だからこそ、些細な事にでも心がトキメク小さな旅をしてみて・・・
そおしたら日々も少しはマシになり、素敵になるかも知れない、やっぱり自分次第なんだ、
そうだろう・・・
小説「幻の楽園」より、一部編纂
Word by yoshihiro matsuo
この秋は、近くで小さな旅をして見て、
森の中のカフェパリス
https://cafe-paris.jimdofree.com